坂道が続いていた。 踏切がけたたましく鳴るのを待ちながら、老人が言う。 あっちは黒い雲だ。こちらは、こんなに晴れているのに。 踏切の向こうを指した。並んだ老婆が腰を伸ばして言う。 本当、変な日ね。 電車がごう、と沈黙を敷いた。 黒い雲は見えなく…
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