夕げ

こんにちは

5月1日 29度

今日は、春のくくりにしては暑くて、初夏としても飛ばしすぎに感じる暑さだった。だから半ズボンを履いた。

 

最近何かと感傷的でいけない。原因ははっきりしていて、夜に窓を開けるようになったからだ。ほかの人と比べようがないからこれは憶測なのだけど、わたしは夜を人一倍上手に楽しんできたと思う。だから夜のにおいがするだけでこんなにもセンチメンタルになってしまうのだ。

東京の部屋は、実家のあの部屋みたいに電車の音が聞こえる。田舎の貨物列車ではなく、夜中でも人を乗せた電車だけれど。汽笛の物寂しい音はなくて、線路を走っていくがたがたという騒がしい足音だけだけれど。

それから、アスファルトだらけの灰色のこの街はなぜか夜になると田んぼばかりの田舎と同じ匂いがする。濃厚な草のような、土が冷えたような、日中には絶対にしない人間以外の匂いがする。それがまた、感傷を誘う。涼しくなった風が部屋に滑り込んできて、なぜか田舎と同じ匂いを残していく。わたしはいつまでも、二階の部屋から何度も眺めた大きな木の陰から顔をのぞかせる黄色い月や、街灯の青白い光や、それで浮かび上がった天井の模様や、いつまでも眠らない蛙の声を思い出す。いつまでも、わたしが大好きなそれを反芻する。

今日の夜は日中暑かった分、風が涼しく感じられる。いつも通り、田舎と同じ匂いがする風が部屋へ吹き込む。電車はまだ人を乗せて走る。

 

明日は29度。くもりらしい。誰の目を気にしたのか、わたしの大学はゴールデンウィークをさっぱり無視して授業をするのだが、明日と明後日は束の間の休息。まあわたしはバイトなんだけど・・・。

昨日は夜通し映画を見て、居眠り程度の睡眠しかとってないから、今日は早く寝ないと。