夕げ

こんにちは

23時

ずっと分からない話するね。

 

わたし、本ってあまり読み返さない。

わたしは小さい頃からもっぱら図書館で本を借りていたから、買ってもらった1冊の本を大事に読み返すテイネイな読み方なんて出来ずに、膨大な量の文字を片っ端から読み漁っていた(学校の図書館は置いてある本も新しく入ってくる本も限られたもんだったから、何度か読んだりしたけど...)。学校での空き時間や、休日や、授業中でさえも(中1の英語の授業ではバレて先生にブン殴られた)わたしはマジで活字ばかり追っていた。

 

小6か中1のとき読んだ本で、たまらずに5回以上読み返した本がある。意味がわかんなかったのだ。

わたしは歌の意味も小説の文章の意味も、な〜んも考えずに楽しんできた。書いてあることだけで楽しんできた。だから、大学に入ってから小説の一文一文を取り出して隠されてた本意を透かし出したりするのはずっと「深読みじゃね〜?」と思っていた。今でもちょっと。いっぱい読んだはずだけど、そういう高尚な読み方は会得できなかったみたいだ。

 

平成マシンガンズ」っていう本なんだ。書いたのは当時中学三年生の女の子で、史上最年少で文藝春秋賞を受賞した。名前もとっても好みだった。「三並夏」。「みなみなつ」さん。本の最後に載ってる著者近影は、確か原っぱに座った横顔だったはず。ショートカットの涼しげな顔立ちで、当時自分でもガリガリ執筆していたわたしは「可愛いのに文章も書けんのかよお〜...」とかなりジェラシーを抱いていた。(青臭いネ)

冒頭、よく見る夢の話で始まる。死神が包丁を持って襲ってくる、みたいな夢だったはず。それで、タイトル通り主人公の女の子はマシンガンを持って応戦するんだけど、なんだか撃てない。とそんな感じだった。そのシーンが作中で何度も何度もリフレインされる。本編の話が進むと同時に夢の世界も進む。小・中学生の、ジャニーズとバンドと恋バナしか頭になかったわたしだって、本編と並行して何度も何度も繰り返されれば、何かをシンボリックに表してんだろうなという察しくらいついた。でもそれが何だかわからな〜〜〜〜い!わかんないのだ。

 

当時のわたしは、最後本を閉じたあと「🤔」の顔をして、しばし考えてからまた「🤔」の顔をして、長らく  真剣に考えていた。死神とは、マシンガンとは。少女が撃ち殺したかったのはなんだったのか。いつもジャニーズとバンドと恋バナのことしか考えてないくせに。

 

中学生に読んだのが最後で、それ以降は読んでいないから、いま読んだらわかっちゃうかもしれない。どうしよう、わかっちゃったら!知らなかった自分にバイバイするのは、子どもの自分にバイバイするみたいでちょっとこわい。

 

わたしが好きな作家、桜庭一樹の「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」も、「実弾」を撃ちたがる少女と「ロリポップ」を撃ちまくる少女が出てくるから、もしかしてヒントあるかな?と思っているけどどうだろう。読んでみなきゃわかんないネ!

 

https://www.amazon.co.jp/平成マシンガンズ-三並-夏/dp/430901738X/ref=nodl_

 

https://www.amazon.co.jp/砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない-Lollypop-Bullet-角川文庫-桜庭/dp/4044281041/ref=nodl_

 

書いていたら風呂も冷めてまいりました。